痩せるために、本当に必要なことは何だと思いますか?

 

「痩せたいんですけど、何から始めればいいのか分からなくて……」

初めてお会いするお客様から、こうした相談を受けることがあります。

食事を減らした方がいいのか、運動を始めた方がいいのか。それとも、お米や甘いものを控えた方がいいのか。

今はインターネットやSNSで、いろいろなダイエット方法が紹介されています。調べれば調べるほど情報が増えて、かえって何をすればいいのか分からなくなってしまう方もいるのではないでしょうか。

実際、これまでに何度もダイエットを経験している方ほど、食事や運動について詳しかったりします。

それでも、なかなか思うように痩せられない。

あるいは、一度は痩せたものの、気づけば以前の体重に戻ってしまった。

では、痩せるためには何が必要なのでしょうか。

僕は、特別な方法を探すよりも、まず今の食事や生活を振り返ることが大切だと考えています。

なぜなら、痩せるために変えるべきことは、人によって違うからです。

今日は、僕が普段のダイエット指導で大切にしていることをお話しします。

食べる量を減らすだけでは、うまくいかないこともあります

体脂肪を減らすには、食事から摂取するエネルギーよりも、身体が消費するエネルギーを多くする必要があります。

これは、どのようなダイエット方法でも基本となる考え方です。

つまり、消費するエネルギーよりも多く食べている状態が続けば、体脂肪は減りません。

では、とにかく食事を減らせばいいのでしょうか。

僕は、そうは考えていません。

例えば、朝食を抜き、昼食はサラダだけ。夕食もお米を食べずに、おかずだけで済ませる。

確かに、食べる量が大幅に減れば、体重は落ちるかもしれません。

ただ、その食生活を何ヶ月も続けることはできるでしょうか。

最初は体重が減ることが嬉しくて、多少の空腹も我慢できるかもしれません。でも、仕事が忙しい日もあれば、家族と外食する日もあります。

食べたいものを我慢し続けることが負担になり、以前の食生活に戻ってしまうことも考えられます。

そして、食事を極端に減らしている場合には、必要な栄養素が不足したり、筋肉まで減ってしまったりする心配もあります。

だからこそ、僕は最初から厳しい食事制限をすることをおすすめしていません。

必要な栄養をきちんと摂りながら、体脂肪を減らせる食事量を見つけていく。

それが、僕の考える食事改善の基本です。

まずは、普段どんな食事をしているのか教えてください

お客様から「食べる量を減らしているのに痩せないんです」と相談されたとします。

そんなとき、僕はすぐに食事を減らすようには言いません。

まず、普段の食事について詳しくお聞きします。

朝食は何を食べているのか。昼食や夕食はどうしているのか。間食や飲み物は何を選んでいるのか。

平日と休日で食べ方が変わることもありますから、そのあたりも確認します。

例えば、朝はコーヒーだけで済ませ、昼はおにぎりを一つ。夕方になるとお腹が空いて、お菓子を食べてしまう。夜は家族と一緒に夕食を食べるけれど、つい量が多くなってしまう。

こうした食生活だった場合、皆さんなら何を変えますか?

夕食を減らすことを考える方もいるかもしれません。

でも僕なら、朝食と昼食の内容から見直すと思います。

日中の食事量が少ないために、夕方以降の空腹が強くなっている可能性があるからです。

朝食と昼食で必要な栄養を摂るようにすると、夕方のお菓子や夕食の食べすぎが減ることもあります。

もちろん、朝食と昼食を増やすだけで痩せるわけではありません。1日を通して、どのくらい食べているかを確認することも必要です。

ただ、食事を減らしている人に対して、さらに減らすように指導することが正しいとは限らないんです。

今の食生活を知らなければ、何を変えるべきなのかも分かりません。

だから僕は、お客様の食事や生活について、最初にしっかりお話を聞くようにしています。

お米を食べながらでも、痩せることはできます

僕が普段からおすすめしているのは、1日3食を基本に、必要な栄養をきちんと摂ることです。

特別なダイエット食品を用意する必要はありません。

ご飯に焼き魚、味噌汁。

ご飯に卵や納豆。

昼食なら、ご飯と肉や魚のおかず。

こうした普段の食事でも、食べる量や組み合わせを考えれば、ダイエットに取り組むことはできます。

特に、お米については誤解している方も少なくありません。

「夜はお米を食べない方が痩せますよね?」

そんな質問をいただくことがあります。

確かに、お米を抜けば、その分の摂取カロリーは減ります。

でも、お米を食べること自体が太る原因ではありません。

大切なのは、1日を通して何をどのくらい食べているかです。

僕は、ご飯なら1食150g前後を一つの目安としてお伝えすることがあります。ただし、必要な量は体格や活動量によって異なるため、一人ひとりに合わせて調整します。

また、肉や魚、卵、納豆などから、たんぱく質を摂ることも大切にしています。

ダイエット中は体重を減らすことに目が向きがちですが、筋肉まで大きく減らしてしまうのは避けたいところです。

そのためにも、食事を極端に減らすのではなく、必要な栄養を摂りながら体脂肪を減らしていくことを目指します。

僕が食事についてお伝えしたいのは、何かを食べてはいけないということではありません。

何を食べるかだけでなく、どのくらい食べるかも大切にしてほしいんです。

運動は、週1回からでも始められます

食事と同じくらい大切にしているのが運動です。

ただ、僕は最初から運動量を増やすことをおすすめしているわけではありません。

例えば、これまでほとんど運動していなかった方が、ダイエットを始めた途端に毎日ウォーキングをして、さらに週3回筋トレをする。

もちろん、それが無理なく続けられるのであれば問題ありません。

でも、仕事や家事で忙しい方にとっては、運動する時間を確保するだけでも大変ですよね。

だから僕は、まず週1回の筋力トレーニングから始めることもおすすめしています。

筋力トレーニングには、筋肉や筋力を維持・向上させる効果があります。特にダイエット中は、体重を減らすだけでなく、筋肉をできるだけ維持することも大切です。

また、40代・50代になると、これから先の健康について考える機会も増えてくると思います。

階段の上り下りや買い物、旅行など、普段の生活を無理なく楽しめる身体でいることも大切ですよね。

僕は、体重を減らすためだけに運動するのではなく、これから先も健康で過ごすために、筋力トレーニングを続けてほしいと思っています。

最初は週1回でも構いません。

慣れてきたら、体力や生活に合わせて運動量を増やしていく。

大切なのは、最初から頑張りすぎず、運動を続けられるようになることです。

食事と運動だけでなく、睡眠も大切にしてください

ダイエットというと、どうしても食事と運動に意識が向きますよね。

でも、僕は睡眠も大切だと考えています。

例えば、毎日5時間ほどしか眠れていない方がいたとします。

仕事や家事が忙しく、夜遅くまで起きている。朝は早く起きなければいけないので、十分な睡眠時間を確保できていない。

こうした生活が続いていると、疲れが抜けにくかったり、日中の活動量が減ってしまったりすることがあります。

また、睡眠不足は食欲にも影響することが知られています。

そのため、食事を減らしたり運動を増やしたりする前に、睡眠について考えた方がいい場合もあります。

僕は、7時間前後の睡眠を一つの目安としてお伝えしています。

もちろん、必要な睡眠時間には個人差がありますし、仕事や家庭の事情で十分に眠れない日もあると思います。

それでも、普段から睡眠時間が短いのであれば、少しでも改善できるところがないか考えてみてほしいんです。

食事、運動、睡眠。

それぞれが独立しているように見えて、実際にはお互いに関係しています。

だからこそ、僕はダイエットを食事制限だけで考えないようにしています。

頑張っているのに痩せないときは、どうしたらいいのでしょうか?

ここまで読んで、

「食事も気をつけているし、運動もしている。それでも痩せない場合はどうしたらいいんですか?」

と思った方もいるかもしれません。

そういうときこそ、焦って何かを変えないでほしいんです。

例えば、昨日より体重が500g増えていたとします。

その数字を見て、「昨日の食事が多かったのかな」「今日はお米を減らそう」と考えてしまうことはありませんか?

でも、体重は体脂肪だけで決まるものではありません。

身体の水分量や食べたものの重さなどによっても変わります。

そのため、1日や2日の変化だけで、今の食事が合っていないと判断する必要はありません。

一方で、数週間からある程度の期間が経っても体重や身体の変化が見られないのであれば、食事量や活動量などを確認する必要があります。

その際も、ただ食事を減らすのではなく、何が原因になっているのかを考えることが大切です。

間食が増えていないか。

休日だけ食べる量が多くなっていないか。

普段の活動量が減っていないか。

こうしたことを確認すると、改善できるところが見つかる場合があります。

僕は、体重が落ちないことよりも、なぜ体重が落ちていないのか分からないまま、食事や運動を変えてしまうことの方が気になります。

理由が分かれば、必要な対策も考えやすくなりますからね。

僕がダイエット指導で一番大切にしていること

ここまで、食事や運動、睡眠についてお話ししてきました。

どれも大切なことですが、僕がもう一つ大事にしていることがあります。

それは、うまくいかなかったときに、自分で対処できるようになることです。

例えば、外食でいつもより食べすぎてしまったとします。

以前なら、「せっかく痩せてきたのに、また太ってしまう」と落ち込んで、翌日の食事を抜いていたかもしれません。

でも、ダイエットについて理解が深まれば、一度食べすぎたからといって、すぐに厳しい食事制限をする必要はないと分かるようになります。

翌日から普段の食事に戻せばいいんです。

運動についても同じです。

仕事が忙しくて、予定していたトレーニングができなかった。

そんなときも、「今週はダメだった」と考えるのではなく、時間が取れる日にまた運動すればいい。

僕は、こうした考え方も身につけてほしいと思っています。

実際の指導でも、食事や運動の話だけでなく、お客様がどんなことに悩んでいるのか、なぜ以前の食生活に戻ってしまうのか、といったことを一緒に考える時間を大切にしています。

ときには、トレーニングよりも話をすることに時間を使う場合もあります。

なぜなら、食事や運動の方法を知っているだけでは、ダイエットがうまくいかないこともあるからです。

僕がいなくても、普段の生活の中で自分に合った食事や運動を続けられる。

食べすぎたときや体重が増えたときも、必要以上に慌てず、自分で対処できる。

そこまで身につけてもらえたら嬉しいですね。

痩せるために、本当に必要なこと

ここまで食事や運動、睡眠についてお話ししてきましたが、最初からすべてを完璧にする必要はありません。

大切なのは、今の自分に何が必要なのかを知ることです。

食べすぎているなら、食事の量を見直す。必要な栄養が足りていないなら、食事の内容を変える。運動不足なら、できる範囲から身体を動かしてみる。

そして、実際に身体がどう変わっているのかを確認しながら、少しずつ自分に合った方法を見つけていく。

僕は、これがダイエットの基本だと考えています。

ただし、痩せることだけを考えて、無理な食事制限や運動を続ける必要はありません。

せっかく痩せても、その生活を続けられなければ、また同じことを繰り返してしまいますよね。

大切なのは、痩せること。そして、痩せたあともその体型を維持できること。

そのために、今の自分に必要なことから始めていきましょう。

實川 侑汰